

申請もスムーズだった「ロボット導入支援補助金」で、
手間と時間のかかるテニスコートの清掃問題を解決!
さがみロボット産業特区では、特区の取組を通じて商品化されたロボットを対象にロボットの導入経費を補助しています。今回ご紹介するのは、この「ロボット導入支援補助金」を活用した施設の事例です。
幅広い年代がレッスンを楽しみ、地域に愛されている「相模原インドアテニススクール」。こちらでは、アイリスオーヤマ株式会社のDX清掃ロボット「Whiz i (ウィズアイ)アイリスエディション」(業務用自律清掃ロボット)が導入されています。その経緯や成果について、相模原インドアテニススクールの支配人であり、コーチも務める斉藤圭太さんにお話を伺いました。

斉藤 圭太
相模原インドアテニススクール 支配人


©IRIS OHYAMA/SoftBank Robotics
スタッフの負担を軽くするために、ロボット導入を検討
──2024年10月より、DX清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」を導入されています。それ以前には、どのようなお困りごとがあったのでしょうか。
相模原インドアテニススクールの規模は地域最大級でコートが5面あるので、清掃に時間がかかるという課題がありました。それまで使っていた業務用掃除機は手押しで動かすタイプだったので、人件費もかかっていました。さらに人工芝のテニスコート特有の問題で、ゴミの9割を占めるのがボール表面のフェルト繊維なのですが、これが絡みついて取れにくいというのも悩みの種でした。
★DX清掃ロボット「Whiz i アイリスエディション」の詳細ページへ
https://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/products/product27/#Whizi
──「Whiz i アイリスエディション」導入の前に、いくつかのロボットを比較されたと伺っています。どのような基準で検討されていましたか?
スタッフの負担を軽減したかったので、まずは自律走行するロボット掃除機を数年前から調べていました。あとは性能や使いやすさ、そして費用面ですね。購入時だけでなく、紙パックなどの年間コストも重要です。それまで使っていた業務用掃除機が壊れてしまったタイミングで本格的に検討した結果、「Whiz i アイリスエディション」が候補のひとつになりました。
──最終的に「Whiz i アイリスエディション」を選ばれた決め手はなんでしょうか?
自分たちで清掃ルートを簡単に設定できること、年間コストが低かったことなどいろいろありますが、一番はアイリスオーヤマの担当の方の丁寧さです。説明がわかりやすいし、持っている情報量も多いので安心できました。県の「ロボット導入支援補助金」が使えると教えてくださったのも、その担当の方です。いくつかの助成金があるなかで、こちらが良いだろうということで勧められ、さらに神奈川県産業振興課の担当の方を教えてくれました。
導入後の補助金の交付まで、県の担当者がしっかりサポート

©IRIS OHYAMA/SoftBank Robotics
──「ロボット導入支援補助金」の申請手続きについては、特に問題なく進められたのでしょうか?
これまでも助成金などの申請はしたことがあったので、それほど迷うことはありませんでした。当時はまだ電子申請がなかったので(注記)交付申請書を郵送して、そこからは電話やメールでやり取りを進めました。書類に不備があったときには県の担当の方から連絡いただいたのですぐに修正できましたし、しっかりサポートしてくれたのでとてもスムーズでした。
(注記)2024年10月よりe-kanagawa電子申請システムを利用した申請も可能になりました。
──補助金の交付が決定し、実際にロボットを導入した際、スタッフの皆さんはすぐに使いこなすことができましたか?
最初にアイリスオーヤマの担当の方が来て使い方をレクチャーしてくれたので、その様子を動画で撮ってスタッフに共有しました。といっても、清掃ルートを手押しして一度記憶させればあとはボタンひとつで動いてくれるので、とても簡単です。操作画面も見やすくてシンプルなので、すぐに使いこなせました。
──導入して3か月が経過する現在、課題は解決できたでしょうか?
基本的にはスクール終了後の夜間に稼働させているので、ボタンを押したらあとはロボットに任せて帰ることができます。これで、レッスンで疲れたあとに掃除していたコーチの負担を減らすこともできました。厄介だったボールの繊維もしっかり取ってくれるので、掃除のクオリティも上がりましたね。今はいろいろと工夫を重ねて、特に念入りに掃除してほしいところは何度か走行するように設定したりしています。
──テニスコートの環境がさらに良くなり、お客さまの印象も変わったのではないでしょうか?
「きれいになったね」と言われるようになってうれしいですね。レッスン中に空いたコートをロボットで掃除することもあるのですが、隣のコートから「おっ?」という感じで、興味津々で見ている方もいます(笑)。見た目がいわゆる業務用掃除機らしくないというか、ゴツゴツしていなくて親しみやすいところもいいですよね。お客さまの目にもふれることを考えると、スマートなデザインであることも大事なんだなと思います。

上手に活用すれば、施設の価値をアップできる
──導入後に「ロボット導入支援補助金」の実績報告書を提出され、補助金が無事に交付されました。交付までの流れはいかがでしたか?
最後まで県の方がサポートしてくれて、問題なく進みました。「ロボット導入支援補助金」を活用して、本当によかったと思いますね。「手続きが面倒なんじゃないか」と思う方もいるかもしれませんが、実際にやってみるとそんなことはないですよ。必要書類もそれほど複雑ではないし、わからないことは担当の方に気軽に聞けるので、初めて申請する方も安心だと思います。
──「補助金の申請は難しそう」という印象を持っている方へアドバイスをいただけますか?
せっかくの制度なので、どんどん活用しましょう! 県の方がちゃんとサポートしてくれるので、いざ始めてしまえば「それほど手間ではないな」と感じると思います。とにかく、使わないと損だと思いますね。
あとは、自分から情報を取りにいくことも大事です。私は月に1回は補助金の情報をチェックしていますし、商工会議所などと情報交換もしています。
──今後、さがみロボット産業特区に期待することはなんでしょうか?
「ロボット導入支援補助金」を知らない方がまだまだいると思うので、県がもっと積極的に発信してくれることに期待しています。あとは、申請のハードルを下げることでしょうか。ウェブサイト等の説明は文字が多くて難しそうに見えるかもしれないので、入り口はシンプルに、マンガなどで見せるのも良いのではないかと思います。それで興味を持ったら、詳しいことは担当の方に聞けば良いわけですし。
──ロボットの導入を検討されている施設の方へ、メッセージをお願いします。
実は、他のスポーツクラブの方にも「このロボット、すごくいいよ!」とお勧めしたんです。人工芝のテニスコートならではのボールの繊維が絡む問題も解決し、清掃時間の短縮やそれにかかる人手不足も解消できます。全国のテニスクラブやスポーツクラブに、ぜひ導入して欲しいですね。気になる方は、コートが空いている時間であればロボットを動かしてご案内しますので、ぜひ見学しに来てください。一緒に、スポーツクラブ業界の環境を良くしていきましょう。
■「Whiz」の名称、ロゴはソフトバンクロボティクスの登録商標です。
<県の支援事業>
県の「ロボット導入支援補助金」の詳細は、次のウェブページをご覧ください。令和7年2月14日まで募集中。(令和7年度は、募集開始後に同じウェブサイトでお知らせ予定。)。
https://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/detail/03.html#step3-11
ほかの業務用清掃ロボットも含めて導入を相談したい、導入後の運用方法の見直しも相談したいという場合は、県が設置しているロボット実装促進センターに無料で相談ができます。
https://www.pref.kanagawa.jp/osirase/0604/jisso_center/
「Whiz i アイリスエディション」以外の清掃ロボットの実証実験の結果等は、ロボット導入サポートブックとして、次のウェブページにまとめられています。
https://sagamirobot.pref.kanagawa.jp/supportbook/