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さがみでつながる!ロボット導入事例インタビュー
「湯本富士屋ホテル」でのロボット導入実証から実装まで
~新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業~
「新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業」では、ロボット等の実装に意欲的な県内施設において、導入実証及び効果検証を実施し、施設へのロボット実装を推進しています。
神奈川県 令和4年度新型コロナウイルス感染症対策ロボット実装事業
湯本富士屋ホテルにて食事配膳の動線でロボットの導入実証を実施
パントリーとレストラン「姫沙羅」間は約100メートル。スタッフが台車で10往復近く移動する食事配膳の動線で、ロボットの導入実証を行いました。
導入実証では、ロボット導入実証エリアでのセッティング(マッピング、走行確認等)、実運用・立会作業、2台運用モニタリングを実施しました。
湯本富士屋ホテルHP
狭く走行環境の変化しやすいバックヤードにおいてスムーズに料理を運ぶことが出来ました。
α8号は、パソコンを使用せず顔の部分のタッチパネルで簡単にマッピングなどのセッティング作業や運用・修正が行えます。また走行環境に応じて、ロボットの走行スピードに緩急をつけることが可能な画期的な配膳ロボットです。
導入実証では、狭く走行環境の変化しやすいバックヤードを2台でスムーズに交差しながら料理を運ぶことが出来ました。
配膳ロボットα8号の詳細ページへ
導入実証後、ロボットによる配膳の代替率を明らかにし、導入効果を可視化しました。
──この事業に期待したことはどんなことでしたか?
コロナ禍になり、館内各所やフロント、レストランのアクリル板など感染症対策のための清掃・消毒に労力や時間が費やされ、サービスよりも感染症対策を優先せざるを得ない状況となりました。通常業務の中で代替できる業務にロボットを導入して、スタッフが消毒作業だけでなく、本来の接客業務に従事できることを期待しました。
また、もともとホテル全体の人手不足解消には、ロボット導入が有効ではないかと考えていたので、専門家のアドバイスを受けられる導入実証を経験したいという想いがありました。
──導入実証を開始して、従業員の方からのご意見はどのようなものでしたか?
導入実証では、3種類のロボットを利用しましたが、すぐにロボットの現場適応能力を実体験できました。特に、実装した配膳ロボットα8号の優秀さは開始してすぐに実感しました。
食事配膳の動線は狭いのですが、そこを大変スムーズに動いて、スタッフが小走りしている速度と変わりません。これまで利用していた台車よりも静かで滑らかで、問題は全くありませんでした。
配膳ロボットは動きが遅いというイメージを持っていましたが、α8号は、速度を調節することができるので、スムーズに活用することができました。
スタッフからは、実証後もロボットを使い続けたいという声がほとんどでした。
──導入実証を実施して課題解決につながるという実感はどのようなところで得られましたか?
100メートル近くある食事配膳の動線を一人で10往復くらいするのですが、それをロボットが問題なくこなすので大変有効だと実感しています。スタッフが片道2分半かかるところをロボットは2分。約1時間分の人手を店内作業などに回すことができます。また、温かいお食事を温かいうちに運んでお客様に提供できて、とても便利です。
──実際にロボットを2台実装されました。決め手はどんなところでしたか?
導入実証をやって良かったのは、ロボット選定時の、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ経営研究所(※県が選定した実装支援事業者)のアドバイスです。自分たちだけではここまでのことはできなかったと思います。我々のニーズを踏まえて、α8号を勧めててくれました。アルファクス・フード・システムさん(※県が選定したロボット企業)は、山口県の会社でレストラン業務に精通して、サポート体制も万全で、とても良かったです。
──今後ロボット実装をして、さらに課題解決ができるとのお考えがあれば、お聞かせください。
今回の配膳ロボット実装で、ロボットとの距離感が一気に縮まりました。キッチンで、以前から検討していたご飯をよそうロボットも1週間くらいの試用期間ですぐに購入に踏み切れました。そういった意味でも、この機会を契機にロボット導入への理解が深まったので、今回の導入実証はとても良かったと感じています。