さがみに集まるハカセたち

広瀬茂男 Shigeo Hirose - 水陸両用クランク車輪型移動ロボット「R-CRANK」の開発者 -

鉄腕アトムから受けた影響は?
鉄腕アトムはやっぱり人間ドラマなんですよね。
ああいう世界ができれば非常に面白いのだけどまだまだ非常に先の話であって、今はもうちょっと前のロボットの姿を追求すべきです。鉄腕アトムは、我々に夢を与えてくれたのは重要ですし、親近感も非常にあるんですけど、それが僕のロボット研究者としての始まりかといわれると、そうではないです。
ロボットを作っていく上での信念とは?
ロボットを作る上で一番大切なのは、やっぱりこだわらないことですね。
ロボットっていうと人間型をしたものがすぐ思い浮かびますが、人間の形が一番いいかというとまったく違います。たとえば狭いところに入って点検作業をしたい場合には、人の形よりは蛇みたいな細長い方がいいですよね。ロボットを使う目的に応じてロボットの形って違うべきなんです。これまでまったくないような形のロボットを目的に合わせて作っていけるところが、ロボット工学の一番の醍醐味だと思っています。
ハカセの作られたロボットを紹介してください。

ヘビ型ロボット、歩行型ロボット、クローラ型ロボットと数多くのロボットをこれまで作ってきました。相模川で実験させてもらったR-crankを開発しようとしたきっかけは、いろんな荒れ地を動き回れるような移動ロボットを作りたいという要望が強くあったので、そのための一つの形態です。
このような悪い環境で使う目的のためには、機構は出来る限りシンプルにして、耐久性、信頼性を向上させることが必要です。そのため、車輪とクランクという蒸気機関車で使用されていたとても古くからの機構に再注目して、このロボットを製作しました。

特区でどんなことをしているの?

相模川の河原で大きな障害物のあるような所を自在に動き回るとか、水中も渡れるかとか、そんな実験をしています。
本当に使えるロボットを完成させていくには、そういう実際的な現場で実験をする事が不可欠なので、これからも色々使わせてもらいたいと思っています。

どうすればハカセになれますか?
もちろん、数学物理などの理工系の勉強をちゃんとしなければならないですが、同時に手でいろんなものを作ったりする体験を積むこともすごく重要だと思います。
たとえば、100円ショップなんか行くといろんなおもちゃを売っています。 安いからどんどん分解してみたらいいでしょう。また、古くなった電化製品などを捨てる時は、分解してみて中がどうなっているかを見てみるとかですね、そんなことやってみたらいいでしょう。ロボットの競技会などもいろいろ行われているので、それに出てみるのもいいでしょう。
私が始めた日本機械学会のロボットグランプリもその一つです。このスカベンジャ―競技は小学生でも参加できます。出来たらチャレンジしてみてください。
ハカセにとってロボットとは?
私にとってロボットとは「社会を変える未来機械」だと考えています。
人がやりたくない、キツイ、汚い、危険ないわゆる3K作業を、人に変わって黙々と遂行出来るのはやっぱりロボットしかなくて、こんなロボットが出来れば未来の社会はとても住みよい社会になるでしょう。 そしてロボットというのは、とても夢があって未来志向の機械であると思います。その意味で、未来機械と言っていいのではないかと考えています。